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私が米津玄師を天才だと思う理由 理由編その1

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前回は私が米津玄師さんの音楽と出会ったきっかけをお話しましたが、今回から具体的にどこら辺がすごい!と思うのかお話します。お付き合い下さい。


私は米津さんの音楽を聴き始めてどんどんハマっていきました。聴けば聴くほど、『うわぁ、この人すごいなぁ。天才だわ。』と絶対にブレイク(言い方古いすか?)する!って思ってました。
何故そう思ったのか?ひとつずつ説明します。



まず第一に歌が抜群にうまい!
基本低音ボイスなんですけど音域が広く、高音もファルセットも、なんてことなくさらっと使いこなしちゃう。声質も聴いていてとても心地よく、流れるようにさりげなく歌う感じがたまりません。
ちょっと舌巻すぎのビブラートかけすぎって感じもあるのでニガテな人もいるかもしれませんが。特に3枚目のアルバム『Bremen』の頃の歌い方はなんて言ってるかわからないくらい巻舌ビブラートなので初めて聴いたら「は?」って思うかも(笑)

歌い方に多少のクセはありますがこの人、生で聴いても音を外さない。次に説明しますが、複雑なメロディラインでも音がビシッと決まるので全く不安にならない。聴いていてほんとに気持ちがいいんです。


2年前に初めて行ったライブでは、調子が悪かったのかもしれませんが高い声が出なくて高音を下げて歌ったりしてあれ?って思ったんですけど、この間行った武道館では格段に歌が上手になってました。
なんて言うととっても偉そうですが、本人が雑誌のインタビューで「最近は歌も上手くなってきた」って言っていた通りほんとに生で聴いても安定感があって心地良い歌声は鳥肌もんでした。

ここまでならね、『歌上手い人なんか沢山いるじゃん』になってしまうんですけど、私が一番すごいなーって思うのは米津さんの歌ってほとんどの歌が息継ぎのタイミングが難しいんですよ。私みたいな1m手前からロウソクの火が消せないくらい肺活量に乏しい女が歌うのには息が続かない事が多いんです。それを『え?こんなに長いフレーズ息継ぎなしで歌っちゃうの??』ってくらいさらっと歌っちゃうの。普通の歌とブレスのタイミングが違うんです。その理由も私なりに考えた事があるので次にいきたいと思います。



第二に、メロディラインが普通じゃない。
なんとなく覚えたからカラオケで歌おうってなっても実際歌ってみると一筋縄ではいかないので、私は細かい所まで完璧に覚えてから歌う事にしてます。はい。どーでもいっすね。でも一度覚えるととっても気持ちよく歌えるんです。息続かないですけど(笑)

米津さんの歌って


Aメロ→Bメロ→サビ→A(A’)メロ→(B(B’))メロ→サビ→Cメロ→サビ

ってパターンが多いんですが、1番と2番のメロディがビミョーに違ったりするんです。それと意表をついたリズムで流れるので覚えるのが難しいんです。で、私そんなに本格的に音楽を勉強したわけじゃないんですけど、メロディの流れが定石通りにいかなくて『えっ?そこで上がるの?そこで下がるの?』ってなるので難しいのです。
でもそれが不自然でなく、なんの違和感もなく流れていきます。で、2番が終わってのCメロから終わりにかけてかけてうわーーっと盛り上がって終わりに向かう。通して聴くと全部でひとつの楽曲という感じに聴こえます。

『アイネクライネ』や『Flowerwall』や『花に嵐』や『ウィルオウィスプ』、新しいところだと『Nighthawks』や『灰色と青』あたりを聴くとよく分かると思います。他にもいっぱいありますけど。

それから初期の頃から米津さんて『不協和音を美しく聴かせる天才』と言われていました。
例えば単純に言うとピアノの鍵盤の隣合ったふたつを同時に鳴らすとちょっと耳障りな音がしますよね。米津さんはそれを巧妙に取り入れて、不快感なく美しい音に仕上げるのです。

この技法は特に1枚目のアルバム『diorama』に多く取り入れられていて、有名な所では『ゴーゴー幽霊船』あとは『ディスコバルーン』『caribou』『Black Sheep』『抄本』辺りを聴いていただければよく分かると思います。

でね、米津さんの特にこの頃の曲って、いろんな音を複雑に組み合わせて作られてるんですよ。それがよく分かるのが『ゴーゴー幽霊船』で、よーく聴くとずっと『うーーーー』って人の声みたいなが流れてます。その歌それぞれに合わせて仕込まれた音が、作品をより自然に共感できるものに仕上げているのです。
これについてはあとで詳しく書きたいと思います。

また米津さんはボカロにしても全部自分で作って打ち込みなんかもやってるので、このアルバムも楽器以外の音がちらちらと入っていて楽しめます。『MAD HEAD LOVE』と両シングルの『ポッピンアパシー』に入っているコンピューターの声は、『Lemon』で話題になった『うぇっ』の子じゃないかなと密かに思ってるのですが(笑)

それで、私が前に話題にした辛口音楽評論でおなじみの石左さんが前から米津さんを絶賛していて、かなり前の記事ですがこの『不協和音のヒミツ』について解説したブログがありますので、こちらをお読みいただけばなぜ不協和音を美しく聴かせることができるのかがよく分かると思います。転載の許可はかなり前にいただいてます。やっとここで紹介できる(笑)↓↓↓↓↓

『BASEMENT―TIMES』
米津玄師を、ちゃんと聴いてほしい
https://basement-times.com/yone-yaba/


どうですかね?専門家の意見でとてもわかりやすくて共感したんですけど。
まぁそんなわけでね、米津さんの歌って一度聴くととても印象に残りやすくクセになる。いわゆる『中毒性の高い歌』ってことになるんですよ。

このメロディの妙に関してはまだまだ言いたいことがあるのでもうちょっとしゃべっていいですかね?
あー、伝わってるか不安。

と、いうことで、まだまだ続く一人語り。
集中して書く時間がなくてのんびり更新になりますけどもうちょっとお付き合い下さい。

ではではまた!