皆さんは夕べ夢を見ましたか？
それはどんな夢でしたか？
夢は誰でも手軽に見ることの出来るショートムービーです。
内容を選ぶ事はできませんし楽しい夢ばかりではありませんが、寝ながらにして不思議な世界を体験できて得した気分になれるので私は夢を見るのが好きです。
正夢、逆夢、悪夢、予知夢…………
色んな夢がありますが、見ている時の大概はそれが夢であるとは気付かず、自分が体験しているかのように感じています。でもたまにありませんか？『あ、これ夢だな』って思う事。
私もたまに｢あ、これ夢だ｣なんて思って夢の中で空を飛ぼうとしてみたりします。まぁ上手くいかないんですけどね。
このように『自分が夢を見ていると自覚しながら見る夢』の事を『明晰夢』と言います。この明晰夢は条件が揃えば意識して見る事ができるらしく、トラウマや苦手意識克服などの治療にも使われることがあるそうです。更に上手くコントロールできれば夢の中を自由に歩き回ったり、自分の望む内容に変えたりもできるそう。うらやましい！
ところが、この明晰夢にまつわる恐ろしい怖い話も存在しています。
そのひとつがあの有名な『猿夢』です。
『猿夢』は2ちゃんねるのオカルト版スレに立ったお話です。
内容があまりにアレなのであらすじだけ説明します。
スレ主は夢を見ていました。
暗い無人駅に一人立っている。
やがて不気味なアナウンスと共に遊園地で見るお猿さん電車のような電車がホームに入って来る。アナウンスによると、その電車に乗り込むと恐しい目に遭うと言う。夢を夢であると自覚し、自由に目を覚ますことができるというスレ主は興味本位でその電車に乗り込んでしまう。
電車の中では気味の悪いアナウンスが流れ、その言葉通り自分の後ろに座る乗客から順々に惨殺されていく。1人目は｢活け造り｣2人目は｢えぐりだし｣。いよいよ自分の番となった時、スレ主は必死に目を覚まし難を逃れる。自分は｢挽肉｣だった。
それから数年後、突然悪夢が再び現れる。それは自分の隣の女性｢えぐりだし｣の映像からであった。
次は自分の番だ。
スレ主は必死に目を覚まそうとする。
そして間一髪！
夢から抜け出し目を開ける直前、あのアナウンスの声が聞こえる。
｢ また逃げるんですか～次に来た時は最後ですよ～｣
2chのスレに立ったこのお話、とても恐いですが、この話が本当にスレ主が体験した話だとして、次に夢の続きを見た時、スレ主は本当に命を落としてしまうでしょうか？
電車がホームに入ってきた時、車内にはすでに青白い顔をした数人の乗客が乗っていたそうです。で、スレ主は後ろから3番目の座席に座り、惨劇が始まります。
初めにこのお話を読んだ時、電車の乗客はスレ主と同じようにこの悪夢に集められた実在する人物だと思いました。そして同時進行で一人ずつ命を落としていっているのだと。
スレ主は自ら目覚める事ができたので助かったのだと。
でも数年後に見た夢が、すでに居ないはずの2番目の乗客の最期から始まっているのでそうではないんだとわかりました。
ならばすでに乗車している乗客たちは、過去にこの電車に乗せられ実際に命を絶たれた者たちなのでしょうか？電車から降りる事も出来ずに同じ惨劇を繰り返されているのでしょうか？
もしスレ主が目を覚まさなかったらやはり悲劇の乗客の一人として彼らと一緒に苦痛を繰り返すのでしょうか？
色々と考えてしまうと答えの出ない疑問が湧いてきます。まぁそもそも夢に理屈なんて通用しないんですけどね。
だからこの夢はよりリアルな『明晰夢』であって、現実世界に作用するものではないんじゃないかという結論に達しました。
ただこのスレ主の語り口調が惨劇を語るにはどこか冷静で淡々としているのが気になります。もしかしたらすでに………
さて。夜も更けてきました。
そろそろ寝ましょうか。
今晩、夢の中でお猿さん電車があなたを迎えに来たとしたら、ソレに乗り込む勇気があなたにはありますか？
