世の中の大抵の事は大したことない

なまけものが書きます

ぼくは明日昨日の君とデートする ふーーん。

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『ぼくは明日昨日の君とデートする』を読みました。これ以降ネタバレの内容なのでご注意ください。
あ、あとちょっと言い過ぎちゃったかも(笑)





これ、映画にもなりましたが(どっちが先かわかんないけど)こういった『時空関連、過去と未来が絡まる関連』のお話ってややこしいしとっても難しいですよね。どうやったってつじつまが合わなくなります。

過去や未来を往き来すると言えば『BACK to the FUTURE 』ですが、あれはほんとに見事で面白かったですねー。3部作全部面白かったです。


さて、このお話は見た目は全く同じだけど、時間の流れが真逆の平行世界があって、それぞれの世界を生きる二十歳の男女の人生が重なり合うたった40日間の恋の物語でございます。うーん、甘酸っぱい。

意味わかります?
つまりね、男の人の立場から言うと偶然出会って一目惚れしてアプローチして付き合うことになった女の人が、実は出会った時点でもう自分と付き合って別れるまでを経験して来てるんですよ。彼女からしたら彼と出会った時がお別れの時なんです。時間の流れが正反対なんでね。うーん、ややこしい。

で、私思ったんです。これ、平行世界なんじゃなくて一本の線上であっちとこっちから向かい合って進んでるのかなって。でもそしたら同じ世界でも時の流れがあっちからとこっちからの2本線になっちゃうから、やっぱり平行世界なのかしら?わけわかんねーな。

もし全く同じ世界が平行してあるとするなら、人生ってのは生まれてから死ぬまでの出来事がすでに決まってしまっているって事なのか?人は予め決められたレールの上を決められた出来事に従って生きているのか?歴史の本の最後のページは白紙のままで誰にも読めないんじゃないのか??

ほら、もうムリがある。

でね、この二人が出会ったのは偶然じゃないんですよ。女の子はね、5歳の時家族で出かけたお祭りで屋台のガスボンベが爆発するという事故に遭うのですが、すんでの所で一人の男の人に助けられて恋をするんです。そう。それがのちに出会うことになる彼なのです。

設定としてはとても興味深くて、設定の中に生じる矛盾をどうやって解決していくんだろうって楽しみではあったのですが……これがね、やっぱり……どうしても……スッキリと拾いきれないというか……言ってしまえば…チンプ?に感じてしまったんですよね。残念ながら。私はね。


まずね、出会った頃から彼女の様子が少し変なんです。事ある毎に泣いちゃったりして。昨日二人で経験したはずの事に初めてのようなリアクションをとったり、自分の発言を忘れていたり。で、彼女には門限が決められていて、必ず12時前に家に帰らないといけない。これらはのちの種明かしの時の布石として散りばめられていていいんですけど、私が『まじか?』と思ったのは『自分の世界と時の流れが違うもう一方の世界がある』と言うことを彼女が知っている。ということなんです。


彼女の世界ではもう一方の世界の存在が明らかにされていて、5年に1度、40日間だけその世界に『旅行』することができるんです。だから彼女は5歳の時自分を救ってくれて、恋をした男の人に会える偶然を楽しみに期待して20歳になって家族旅行で一方の世界にやってきたのです。

もう一方の世界にいる間は時の流れがいつもと逆に進むので、12時になると姿を消してリセットするらしい。だから目が覚めたとき、昨日の自分の体験は、これから体験することになるんです。

あー、やっぱりややこしい。あれ?そうするとおんなじ日を何回も繰り返しちゃうんじゃないのかなぁ。
じゃないとしても彼女からしたら、わけわからないまんま漫画や小説を後ろから読んでるようなものなんだよね。

ではなぜ彼女は彼に不思議がられることなく彼との時間を過ごせたのか?それは二人の時間の流れがぴったりと重なる時、ちょうど折り返し地点で彼女は彼に本当の事を告白するのですが、その時に彼にここまで二人で何をしてきたのか細かく聞いてメモしていて、その通りに行動していたからなんです!


………ムリがないですか?
もう、途中からなんかすっかり読む気が失せまして、流して読んでたんで細かい矛盾の言い訳(笑)はよく覚えてないんですよねー。でね、二人が一緒に過ごしている時、彼が思い出話で自分は10歳の時阪神大震災を経験して死にかけたけど、一人の女の人に助けられたって話をするんだけど、もうお分かりの通りそれが30歳になった彼女なんです。それで二人は、「自分達が出会ったのは偶然じゃない。運命なんだ」って言うわけですけど………いやいやいや、それって二人で過ごしている時にお互いにその話を聞いて何があるか知ってたからじゃないの?とか意地悪なことを思ったりして。


昔読んだドラえもんのお話で、のび太が週刊誌で読んでた大好きな漫画の続きがどうしてもすぐに読みたくてまたワガママ言ってタイムマシーンで未来の作者の所に行くんですよ。そしたら作者が続きのアイデアが浮かばなくて書けないって頭を抱えている。慌てたのび太はタイムマシーンでさらにその先まで行って続きの書かれた漫画を手に入れて作者に渡すんだけど、その続きも、その続きも浮かばないってそれを繰り返しちゃって、のび太が最後に

「自分が先回りして持ってきた漫画のアイデアは結局誰が考えたんだろう」

って頭を抱えて終わるんですけど、なんかちょっとそれを思い出しましたね。

このお話が例えば、2つの世界がある時偶然重なりあってしまって、そこで偶然二人が出会って恋をする。でもなんだか話が噛み合わなくておかしいなってなって、なんだかんだあってのちにお互いの世界が本来交わる事のない世界だと気付くみたいな話だったらよかったのになと思いました。
なんだかんだの部分?そんなの作家さんが考えればいいんだよ!…………ごめんなさい。

でもさ、『片方の世界から5年に1度だけ家族旅行みたいにもう一方の世界に行ける』とか都合よすぎるだろ。

なんか期待して読み始めただけにがっかりしてしまってボロクソ言ってしまった。

あ、でもこのお話の名誉のために、私の後輩はこのお話を読んでとっても感動したそうです。後半は切なくて泣きっぱなしだったって言ってました。
すなわち、素直で純粋な心をお持ちの方にはとても感動するお話のようです。
気になった方は是非読んでみてくださいね!(今さら遅い?)





くさい大人になっちまったんだ
上下2万のスーツ買ったんだ
そんで帰りにうんこ踏んだんだ


純粋な心はいつまでも忘れたらあかんでー笑笑