世の中の大抵の事は大したことない

なまけものが書きます

火事と喧嘩は?

『火事と喧嘩は江戸の華』なんてことを申しますけど、あれほんとなんですよ。

私ね、もう20年近く前に今のこの地に越して来たんですけど、ここに来て驚いた事がいくつかありまして、まずパトカーが多い(笑)サイレン鳴らしてるやつも(笑)(笑)それから救急車も多い。私が以前住んでいた所も近くにおっきな病院があったのでしょっちゅう救急車の音は聞こえてたんですけど、それにも増して多いんですよ。しかも消防車とセットで出動するからいつもどっかしらで聞こえてる感じでした。

あとヘリコプター!パトカーのサイレンと共にヘリコプターがバラバラと上空を飛んでる。いや、私の住んでた所もでっかい自衛隊基地が近かったんで自衛隊のヘリがしょっちゅう飛んでたんですけどここのは赤いヘリで、なんかしゃべりなから飛んでるの(笑)あれ?前にいた所も大概だな。

更に少し離れてるけど(うちの最寄りは私鉄)JRの駅周辺は当時とても治安が悪くて、黒塗りのピカピカの車が狭い道にどーんて停まってたり、発泡酒事件(オブラート)なんかでたまに駅前がニュースで映ってたり、まぁなんとも、さすが都内でも危険な街上位に入るお土地柄です。


そんな感じで『東京って恐いとこだなー』なんて思ってましたが、私が一番驚いたのはやっぱりこちらの方達って、『火事』とか『事故』とかが好きなんですね。どちらも当事者からすればとんでもない災難なわけですからこういう言い方をするとちょっと語弊があるかもしれませんが、例えばパトカーや救急車がすぐ近くでサイレンを止めたりすると、もう何人か外に出てきてるんです。いわゆる野次馬です。なのでスネ夫のび太にはちっちゃい頃「知らない人に連れて行かれそうになったらおっきい声で『火事だーー!』って叫びなさい。そしたらすぐいっぱい人が出てくるから」って教えてました(笑)

それでまた確かにここら辺火事とか事故とか多いんですよ。私が来てからもう数件、おっきい火事が近所で起きてます。するとね、夜中でもすごいんですよ。野次馬が。まぁかく言う私もその中の一人ですが。で、我が家のみんなもそういった事態への反応の早いこと。それで意外と一番早いのがフネさんだっりする(笑)


つい先日の事です。夕食を食べ終わってまったりしていると突然ボカンッッッと物凄い音。何かが爆発したみたいなでっかい音がすぐそばでしたんです。
みーーーんなビックリしてすぐ外を覗くと我が家のすぐ前の電柱に車が刺さってました。事故です。

もうビックリしてすぐ外に出ました。
助手席に一人男の方が乗ってらっしゃいましてぐったりしてましたが、意識もあるし、会話もできるし、動けるようです。でもフロントガラスに内側からぶつかった形跡があって、かなりなヒビが入っていたのですぐ救急車を呼びました。エアバックが両方とも出てまして、あの爆発音はこの音だったんですね。

運転してらしたのは助手席の方と同じくらいの20代後半くらいの男の方でした。ケガはなさそうですが、かなり動揺してる様子です。当たり前です。見ると車のボンネットに初心者マークが…。

この時点で、我が家の家族合わせて10人ちょっと集まってました。みんなね、ほんと火事とか事故とかそういうの好きなんですよ。不謹慎ですけどね。

で、やっぱりこの時も一番テンション上がってるのがフネさんなんです。
このフネさん、あっけらかんとしておもしろい人なんですけど、何て言うか……天然というか、なんにも考えてないというか、思ったことをすぐそのまんま口に出しちゃう人なんです。悪気なく。素直なんですね。

昔、我が家にスネ夫がやって来た時、フネさんほんとに良くしてくれて、抱っこして寝かしつけてくれたりするんですけど、あやしながら耳に入ってきた言葉をそのまんまあやし言葉に使っちゃうの。例えば殺人事件のニュースが流れてたりすると、アナウンサーの言葉を入ってきたまんま言っちゃうんですよ。ポンポンとスネ夫の身体を叩きながら、

「さーつーじんっ、死んじゃったっ」

とか言うんです。これマジです(笑)

「懲役○年だってー」

とか言っちゃうんですよ。
まぁそれはそれでおもしろかったんですけどね(ダメか💦)事故の時もフネさん、なんかニコニコしながら

「あらー、つぶれちゃってるわね。」
「よそ見してたんじゃないのかしらね。」
「初心者らしいわよ。」

って私に言って来るんですよ。運転手さんすぐそばにいるのに。特に初心者のくだりはもう何回も言ってくるもんだから

「あー、そうですねー。まぁまぁ、そうなんだけどー、あのー、運転手さんそこにいるんで……運転手さんショック受けてるから…」
「うん、もうそろそろそこら辺でやめときましょうか」

って言って逃げちゃった。
そしたら近所の知らない人としゃべってました(笑)
私は救急車を呼んだ関係で到着して出る前までその場にいて引っ込みましたけど、結局みんな車が運ばれるまでいたみたいです。さすがです。

これってもう下町と呼ばれるここら辺の立派な文化だと思うんですよ。ただ野次馬根性なだけじゃなくて、そこにお節介ってのが入ってる気がするんですよね。特になにするわけじゃないんだけど、なにかあったらすぐに野次馬の中の誰かがお手伝いしちゃったりするんですよ。

お節介って言葉だけ聞くと、余計なお世話だったり
迷惑行為に感じるけど、江戸の文化の中の野次馬やお節介ってなんか粋に感じちゃうので嫌いじゃないです。江戸落語の世界でもありますしね。
私が越して来た頃に感じた『あー、これが下町人情か』っていう、ちょっとめんどくさいけどあったかい感じ。今あの頃よりも薄れている気もするけれど残っていくといいなぁなんて思ったりします。

まぁ、フネさんのはただの好奇心なんですけどね(笑)全く悪気がないから困っちゃうんですけどかわいいんですよ。




たまや!かぎや!
火事とケンカは江戸の華
どいた どいた どいた どいたぃ!

けんかだ けんかだ けんかだぃ
火事だ 火事だ 火事だぃ
ごめんよ ごめんよ ごめんよ
てぇへんだ てぇへんだ てぇへんだぃ

~♪お江戸八百八町に火が昇る♪~