私はとってもヘタクソですがたまにバイクに乗ります。ちょっと前に初めてガス欠寸前てのを経験しました。なんかおかしいなって思ってコンビニに入った途端にプスンっとエンジン停止。ヤバイと思いましたがすぐに予備タンを開けてなんとかスタンドまでたどり着けました。その時、もう二度と同じ過ちは繰り返さないぞ!燃料はマメにチェックして入れる!って誓いました。誓ったはずだったのに………
昨日またやっちまいました。
朝走行距離を見てギリギリだけど会社までは行けるべなんて油断して出かけたら途中でなんかまたおかしいな?って思いまして、そしたらプスンっとエンジンが止まってしまいました。まだ会社までけっこうあるのに。予備タンに変えてもなんだかスッキリしない走り。いつ止まるかわからない恐怖と共に恐る恐る走らせなんとか到着!駐輪場に入った途端プスンっとエンジンが止まりました。
ヤバイ……今日どうやって帰ろう。
とりあえず仕事をしよう。
そして仕事のあと、確認してもやっぱり間違いなく燃料切れです。係長さんに
「あのー、ここに、ガソリンはないですよね」
って聞いたら
「あるわけないじゃーーん、軽油の車しか置いてないんだからさーー」
ってあっさり言われまして、絶望していたら
「工場に行けば容器貸してくれるんじゃない?軽貸してあげるから燃料買っておいで」
ありがたいっ!でも工場の人怖いんだよなぁ。
ぶつぶつ言われながらもなんとか容器を借りて近くのスタンドに行ったら……
「携行缶じゃないとお売りできません。」
ですよね。またも絶望。
「バイクをお持ちいただくか、ここではやってませんが、配達してくれるところもあります。」
おっ!まじか?とりあえず他をあたってみよう。
しかしその後も配達してくれるスタンドは見つからず、携行缶借りようと思ったらどこも置いてないと言われ。置いとけよ!とちょっと心の中で逆ギレしながら戻る途中、そうだ!中古車屋さんになら携行缶あるかも!貸してもらおうと一縷の望みをかけて某有名中古車ディーラーへ。
「すみません、こういったわけで携行缶をお借りできませんか?」
と勇気を出して聞いてみたら
「あー、携行缶の貸し出しはできないんですよー。一度お貸ししたら返ってこなくて。」
「あー、それは辛いですねぇ。えっと、こちらに燃料って置いてますか?」
「あーっと……今日はもう切れちゃったんです。」
「またまたー、そんなこと言ってー」
「いや、今日販売する車に入れちゃったんで」
マジかよーほんとに困ってんだよ。冷たいこと言うなよー。燃料ないとかウソだべ?って絶望してたら
「バイクって250だったら保険のロードサービスで初回だけ無料で持ってきてくれるはずですよ。」
おっ!いい情報ありがとうございますっ
ほんの少し希望が見えた。でも保険証家だし、電話番号わからないから、とりあえず今日はバイク置いていって明日燃料持って来てもらおうって段取り考えながら営業所に帰る途中にバイク屋発見!
「あのー、こちらに携行缶ってありませんか?」
「ありません」
玉砕。
今日、これでもう何回断られただろうか。
ほんとにね、私見た目より傷付きやすいんですよ。
ガラスのハート、エンジェルハートなんです。
もうまさにMy heart is hurt.ですよ。
久しぶりに絶望感でいっぱい。泣きそうになってきました。でもおばちゃんが泣いても誰も手を差し伸べてはくれないってことはよくわかってます。
今日乗って帰るのは諦めました。帰ります。
……と、営業所の手前に自動車の部品工場があることを思い出しました。あそこなら携行缶あるかも!
最後の望みをかけて工場に入ると、おや?もう棚の上にそれっぽい容器を発見!あれが夢にまで見た携行缶じゃないのか!
「あのー、こういったわけでほんとに困ってるんです。携行缶て置いてないですか?」
「あー、携行缶て、これ、ですよね。」
やっぱり!それです!貸してください!
「そうですねー。燃料はどれくらいいりますか?」
「もう、すぐそこのスタンドに行ければいいのでほんの少しでいいです。」
お願いします!断らないでください!
「いやね、ガソリンはあるんですよ。でも少し古いのでほんとに動くくらいだけ入れて、すぐにスタンドに行ってもらった方がいいんですけどそれでもいいですか?」
ダメなわけないじゃないですか!まじっすか?
ありがとうございますっ!バイクそこの営業所にあるんですぐに持ってきます!
渡りに舟!地獄に仏!掃き溜めにツル!
あれ?なんか違うの入ってる……まぁとにかく救世主の登場です。もう喜び勇んで営業所に戻り、『お腹が空いて……動けない…』アンパンマン状態のバイクを押して、約200m先のあの工場へ。
親切なイケメンお兄さん、ペットボトルに燃料用意して待っててくれました。そしてタンクにこぼれないように慎重に、丁寧に入れてくれて、
「とりあえずエンジンかけてみてください。かかんなかったらもっと入れます。」
無事にエンジンがかかり、燃料代を払おうとすると、
「あ、いいですよ。こんなの。うちもいつもご迷惑おかけしてるんで。また途中で何かあったらすぐ来てください」
ってさわやかな笑顔で言ってくださいました。
なんてイケメンなの!ここまで散々断られてヤサグレていた心が一瞬にして南国パラダイスな気分になりましたよ。
周りの方も「なに、エンストしちゃったの?」なんて笑いながら「気を付けて」って見送ってくださって、ほんとに人の情けってこんなにも暖かいんだって、真夏の暑さにうだりながら感じました。
そして無事にスタンドにたどり着き、家に帰ることができたのです。
私、その時『仕事先の警備員のおっさんがやたら絡んできてめんどくさい』って記事を書きかけてたんですけどソッコー消しましたよ。だめよ!そんなこと言っちゃ。『休憩室で一人で休みたい』とか何言ってんの!休憩室はみんなの物ですよ。コミュ症とか言ってんじゃないよ!
イケメンお兄さんの人情に触れていろんな大事な事を思い出した貴重な体験でした。世の中捨てたもんじゃない。
突然勇気が湧いてこないかな
突然希望が湧いてこないかな
大人になるのは大変そうだな
働いてくのは大変そうだな
安全てなんだ?そういうことか
便利ってなんだ?そういうことか
俺、今日バイク 俺、今日バイク
俺、今日バイク 俺、今日バイク!!
ありがとう!!!ワイルドな竹野内豊似のお兄さん!!!このご恩は一生忘れません!