今日ね、仕事をしていてふと頭によぎったんです。
ある歌が。
タイトルにあるのでもうお分かりですよね。
そう。『どじょっこふなっこ』です。
なんとなく口ずさんでて、改めてかわいい歌だなぁ~ってなんかきゅんとしちゃったんですよ。
いや、別にいいでしょっっ、きゅんとしても(笑)
みなさんご存じですか?
いなかのなんにもない山に自然とできた池の中にいるどじょうや鮒から見た四季を歌った歌で、歌詞がとってもかわいい、東北地方のわらべ歌です。
この、『どじょうと鮒目線』てのがなんかたまんなくかわいいんですよ。
四季ごとに紹介します。
まずは春。
春になればしがこも溶けて
どじょっこだのふなっこだの
夜が明けたと思うべな
ほら。もうかわいい(笑)
『しがこ』ってのは『すがこ』とも言うらしいんだけど氷のことです。みんなわかると思うけど一応。
春になれば湖に張った氷も溶けて
どじょうや鮒たちは『夜があけたのかしら?』って思うよなぁ。って意味です。
単純だけどほんとにそうだよなぁってほのぼのしちゃう。
次は夏。
なつになればわらしこ泳ぎ
どじょっこだのふなっこだの
おにっこ来たなと思うべな
『わらしこ』ってのは子供のことです。言わずもがなですが。いやー、確かにいなかのわらしこにバッシャンバッシャンやられたらもう天変地異でも起きたのかって騒ぎですよね。慌てふためく姿が浮かんでほのぼのしちゃう。
次は秋
あきになればこのはこ落ちて
どじょっこだのふなっこだの
ふねっこ来たなと思うべな
もう説明はいらないですね。
ほんと、水の中から見上げた時の木の葉はふねっこに間違いないです。
そして冬。
ふゆになればしがこも張って
どじょっこだのふなっこだの
てんじょこはったと思うべな
この歌のすごいとこはまた冬が来てしがこが張って、最初にちゃんと戻る。エンドレスなんですよね。
どじょっこもふなっこも、毎年同じ繰り返しなのに季節が変わると忘れちゃってて、毎回いちいち驚いちゃうの。なんか想像するとほんとかわいい。
あとね、春にしがこが溶けた時は『夜が明けた』って思ったのに、冬にしがこが張ると『日が落ちた』んじゃなくて『天井が張った』と思うところもなんかかわいい。でもまぁ気持ちとしては、いつもみたいに日が昇って明るくなると思ってたらいつまでも暗いから、『あら?天井張ったの?』って思っちゃってるのかも。
どじょうと鮒を主役にして歌を作ろうと思った人、天才です。でも童謡にありがちだけど、作詞ははっきりこの人が作ったってわかってないみたいです。
作曲に関してはおおまかにわかってるらしいけど、説明するのめんどくさいから省略しまーす!
いやー、この歌もほんとに想像するとかわいくて楽しい傑作です。
昔話もそうですけど、もう誰が最初に言い出したかもわからないくらいむかしのお話や歌が、ずーーーっと言い伝えられて今なお歌われているってほんとにすごいよなぁ。
こういう日本の伝統は後生に残してほしい。
どんなに世の中が合理的になっても、なんて意味のないものに心が反応するってことだってあるんだよね。
そういう人の心は無くさないでほしいと切に願うのであります。