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私が米津玄師を天才だと思う理由 理由編その3

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またまた久しぶりに来ました。
もう前回の記事なんて誰も覚えちゃいないんじゃないかなんて事を思いつつも気にせず書くのだ!自己満足のために!

さて、前回は米津さんの歌のメロディについて触れましたが、今回は最後に予告しました『私がメロディに関して一番すごい!と思うこと』を説明いたします。


それはズバリ!メロディの組み立て方が自由だからです。


世に出回っている多くの歌や私たちが昔から聞き慣れている歌はそのほとんどのリズムが4分の4拍子というやつで構成されています。一小節に四分音符♩が4つ入ってる。音楽で指揮を習いましたよね。カウントすると『1、2、3、4、1、2、3、4、』となるわけです。

で、さらに歌の区切り、いわゆる『一節(ひとふし)』ってやつは、多くがこの小節を二つ分合わせた、カウントすると『1,2,3,4,5,6,7,8,』ってリズムに収まる事が多いです。全てじゃないけど大体の歌がこの8カウントの繰り返しで、聴いていて一番しっくりくるリズムだと思います。例えば…

童謡の『チューリップ』ってありますよね。あの歌の前奏を思い出してください。~♪どーのーはーなーみーてーもーのメロディですよ。それをカウントしてみるとね、

『12345678、223456さんっはいっ!さーいーたー♪』

って感じになるんですよ。あの有名な『スキヤキソング』こと『上を向いて歩こう』も、

『12345678、223456さんっはいっ!っうっえっをっむーーいてぇ~♪』

って感じになるんです。
ところがね、米津さんの歌って作り方がとっても自由でこのカウントに収まらない事が多いんです。もちろん全てではないですが、私たちの身体が自然に覚えてるリズム通りにいかないものが多くあるのです。初期の頃の歌を聴くとよくわかります。

例えばアルバム『diorama』に『首なし閑古鳥』という歌があります。この歌のサビに入る前をカウントしていくと、『12345678、22345678、32345678、42345678、12さんっはいっ!』となります。8の塊の後ろに4が付くんです。それまで普通に8カウントだったのに。なので何にも考えないで歌おうとすると、『423456さんっはいっ!♪あーいされ……あ、まだか。』ってなるんですよ(笑)

でね、面白いのはこの歌、2番のサビ前でも同じく8のあとに4が付くのに、なぜだか2番が終わってサビの繰り返し前は普通に8カウントで入るんですよ。だから、「もう騙されないぞっ、22345678、12っあっ、もう入るのかっ」ってなるんです。わかりますかね?ちゃんと覚えるまで何度巻き戻してやり直した事か(笑)

それとアルバム『YANKEE』に収録されている『WOODEN DOLL』という歌、私大好きなんですけど、この歌はぱっと聴くと三拍子っぽいですけど『123456、223456』という8分の6拍子で構成されています。『Bremen』に入っている『ホープランド』も8分の6拍子です。

でもこの歌の面白いのは前奏は普通に8分の6なのにAメロの入り口が全部8分の5になってるんですよ。『(前奏)123456、223456、323456、423456、(Aメロ)12345、123456』って感じ。
なので最初聴いた時なんだか不思議なメロディだなーって思いました。覚えるのにちょっと苦労した歌です。

そしてそして更に、メロディの流れが突飛(笑)

子供の頃、音楽の授業で簡単なメロディを作ろうとかやりませんでしたか?例えば先に
『ドーレーミーレー』って音があって、あとに続くメロディを考えましょうみたいな。

普通に考えたらぱっと思いつくのは例えば
『ファーミレド』とか『ソーラシドー』とかそんな感じが一般的かなーって思うんですけど、私昔からふざけた子供だったんで『ソーミードーミーラソド↑ラソー』みたいにへんてこりんな音を考えて発表して先生を「う、うん……まぁそうだね。」って困らせたりしてました。

米津さんのメロディの流れって、『ファーミレド』みたいな当たり前の流れじゃなくて、意表をついて音がポンポンと跳ぶのでおもしろいんですよ。
例えばアニメ『僕らのヒーローアカデミア』の主題歌になった『ピースサイン』の前奏って面白い流れではないですか?そのまま上がるかと思うと1回下がって上がって昇るみたいな音符の動きがおもしろくて、でもそれがヒーローっぽい躍動感を演出していてアニメにぴったりマッチしています。

メロディだけじゃなくて合いの手の様に入るギターのフレーズもおもしろくてかっこいい。それに入る場所もリズムの流れをぶった切って入ってきたりするのでわくわくします。ドラムも然りで。ここでそのリズムが入るのか!って意表を突いてくるので演奏を聴いているだけでわくわくします。

そしてそして!『diorama』に収録されている『caribou』って歌は私が上で説明したすごい!要素が全て詰まったすごい歌なんです(笑)


まず前奏。全体に言えば先程言った8カウントに収まるメロディなのですが、合間と最後に4カウントがひとつずつ入っているので、ぱっと聴くと途中で曲調が変わって聴こえます。『12345678、22345678、1234、12345678、22345678、12さんっはいっ!』って感じです。

曲の始まりはギターのフレーズから入りますがそれがまた独特でおもしろい。で2節目からバスドラのドンドンというリズムが入ってきて前奏が始まるんですけど、この演奏がなんか色んな音が混じってゴチャゴチャに聴こえる。ひとつひとつはちゃんとした?メロディなんだけどそれがいくつか集まっていて、本来なら前の記事でお話した不協和音で不快に聴こえてしまうはずなのにちょっとわくわくします。この歌自体は曲調に合わない、なかなか辛辣な内容なんですけどね(笑)

で、歌に入ると所々に4カウントが入ってきて一息つくポイントがあります。
でね、この歌の一番おーって思ったところは、サビに入ってよーーく聴くとドラムのスネアのリズムがなんか曲に合ってない不思議な所でタンッ、タンッて入ってくるんですよ。なのでそれに気付くとえっ?ってちょっと不思議な気分になるのです。なんで?って思ったんですけど、なんと!この歌、サビからCメロに入ると突然三拍子になるんです。曲の途中で拍子がすっと変わるんですよ。そうすると、さっきのスネアのタンッの拍子がしっくりくるんです。米津さんがそれを狙って入れているのかは定かではないし正解かはわかりませんが、私が推測するに、曲調を変える前に布石を打っているのではないかと思ったわけです。最初からスネアのリズムが三連符のタッカタッカなのもそれを見込んでのことなのか?などと勝手な憶測を立てたりしてます。

それで他にはそういったおもしろいメロディはないかと、『diorama』をじっくり聴いてみたのですが、『あめふり婦人』にしても『ディスコバルーン』にしてもメロディや合いの手が自由すぎて私みたいな凡人には到底どうなってるのかわかりようもなくて頭がおかしくなってきたので考えるのをやめてしまいました(笑)


とは言うものの最近の音楽は特に譜割にこだわらないという事を音楽に精通している仲間に聞いた事があるのでもしかしたら『WOODEN DOLL』は三拍子かもしれないし『Caribou』は2拍子かもしれません。

と、言うことでホントはメロディに関してもっと思うことはあるのですがとりあえずやめます。
次回はいよいよ私が米津さんの歌で一番好きな歌詞についてお話したいと思います。

音楽に詳しい方や米民さん方が怒ってませんように!←気が小さいので💦