世の中の大抵の事は大したことない

なまけものが書きます

スネ夫へ

※大学受験を間近に控えた長男へ、面と向かって言えないことを書いた極めて個人的なお手紙です。




いよいよ本番だね。もう一年以上前からずっとビビってたけど、今の心境はどうですか?
ついこの間まで、あなたは本当に受験生なんですか?
と疑いたくなるほどのマイペースで、内心イライラしてました。でもあんたは言われれば言われるほどやる気をなくすし、自分でもわかってるはずだから何も言えなかったよ。


高校受験で、今まで全く勉強をしなかったあんたが目指した学校は、最初の模試でE判定だったのに、必死に勉強してなんとか受けられるだけの力をつけたと思ったら調子に乗って、さらにもうひとつ上を目指すって言った時はちょっとビビったわ。
成績表オール4以上ないと受からないって言われてたのにあんた3ばっかりだったもんね(笑)

しかも自校作の学校だから最後の自校作模試での結果で決めようねって言ってたのに、あんた希望校の番号間違えてむちゃくちゃ頭いい学校書いちゃったもんだからもちろんE判定で、なんの目安にもならなかったから半ばやけくその勢いで願書出しちゃって、受験の日帰ってきた時の絶望したあんたの顔が忘れられないよ。

あんたお母さんの顔見た途端に涙浮かべて
「ほんとうに、すみませんでしたっ!」
って言って土下座したよね。それで全てわかったから何も言えなかった。発表までの地獄のような一週間。
ずっと『なんで安全な学校を薦めてやらなかったんだろう。全て任せてはいけなかったのではないか』とずっと頭の中に後悔の念が消えなかったんだよ。

合格発表の日「一人で見る勇気がないから付いて来てください」って言うから一緒に見に行ったよね。でもね、実はあの時なんの根拠もないんだけど、なんとなくあんたの番号があるってなんか変な確信があったんだよ。結果奇跡の大逆転合格!呆然と立ち尽くすあんたと号泣するお母さん(笑)

発表までの一週間、落ち込むあんたに一言だけ言ったよね。「スネ夫はよくやったよ。」って。
あれはね、慰めの言葉じゃなかったんだよ。必死に勉強してる姿を見てたから、心からそう思ったんだ。


あの時、なんでも必死にやればできないことはないんだってわかったはずだよね?今のあなたはどうですか?

目標の大学に入るには模試の点数が全然足りない。
最後のセンター模試の結果も散々で、ものすごく凹んでたけどお母さんはそんなの初めからわかってたし、当たり前だと思ったよ。だって勉強してないじゃん。

小さい頃からがむしゃらにやることを何故か嫌がったよね。必死な姿を見たのは小学校5年生の時のサッカーの大会の時と高校受験の時だけ。
いつも言ってるけど『いざとなればやればできる』って言うのはやらない奴の言い訳でしかないんだよ。本当にその言葉をかけられるのは必死にやって結果が出たときだけ。「あんた、やればできるんだね。」ってね。

必死にやってもやらなくても、時間はどんどん過ぎていくよ。それで当日になって、それまでの自分の結果が出るんだよ。


正直、お母さんはあんたがどこの大学に入るとか、どこに就職するとか、そんなことにこだわりはないしどうだっていいよ。ただくだらない後悔をしてほしくないだけ。ぐちぐち言い訳をしてほしくないだけだよ。


やってしまった後悔は経験として残って次に活かす事ができるけど、やらなかった後悔は心の傷になっていつまでも残るんだよ。それで言い訳をするクセがつくんだよ。言い訳なんてうまくいかなかった事に対しての後付けの理屈に過ぎないよ。そんな人間になってほしくない。それだけ。


世の中の大抵の事は大したことじゃない。ほんとにそう思ってる。受験だってそう。命を取られるわけじゃない。

なめてかかれって言ってるんじゃないよ。そこに大切な意味を見つけられるかどうかは結局のところ自分自身だってこと。自分がどうしたいか。
お母さんは大学受験の経験がないから、こんなにでっかいことに挑戦してるあなたはすごいって心から思うよ。だから、真剣に悩んで決めたことには全力で応援する。


とか言いながら、またなんの根拠もなくなんとなくだけど、今回もなんとかなるんじゃないかって思ってる(笑)結局のところそんなもんだよ。




どうにもならないことなんて
どうにでもなっていいこと


がんばれ!スネ夫