世の中の大抵の事は大したことない

なまけものが書きます

結局のところ……(後半)

前回の続きです。クレームを入れてきたお客様に営業所の電話番号を教えた後です。

そのあと私はすぐに営業所に電話して「今この間の方がいらして、こういうわけで、電話がいくと思います。」と報告しました。その日営業所に戻ってから特に何も言われなかったので本当に電話が入ったかどうかわかりません。ですが、すぐに遅れないための策が成され、その後極端に遅れることはなくなりました。


この一連の話はその他の役所の送迎担当の耳にもすぐ入り、私は何名かに「苦情受けて大変だったんだって?仕方ないじゃんね。うるさい人いるんだよ。」と言われました。もちろんその方達は私を心配して気にするなと言ってくれているのでありがたいのですが、私が最初に不満に思ったのはお客様じゃなくて会社に対してでした。

誰だって、早くに用意して出てきてるのにバスが時間に15分近くも遅れて来たらいくら無料バスだとしてもイライラしますよね。だから私は初め、あのお客様の言うことは、ちょっと極論ぽいですけどごもっともだと思ったので素直に謝りました。
2回目の時はさすがにちょっとイラッとしましたけどね。昨日の今日ですぐ改善できるか!って。

まぁ、でも道路が渋滞してるからとか、朝の一本目は営業所から持ってくるからとか、そんなのお客様には関係ないですからね。サービス業ってのはそういうもんだと思ってますから。

最初にクレームを受けた時、多分『あぁ、またいつものクレーマーだからほっとけばいいや』って気持ちがあったんじゃないかなって思ったんですよ。だから具体的な策を取らずにまたお叱りを受ける事になったんです。だからあのお客様のことを『うるさい客』とは思ってはダメなんです。道理は通ってますから。現にその後に細かい対策が練られ、今は遅れることも少なくなってるのですから。

でもそのあとの『車は譲り合いだろ!』って怒ってきたじいちゃんにはムカつきましたけどね(笑)
思わず『おいっ!じじい!お前私が来る前からそこにいんだろ!譲り合いって言うならほんのちょっと前に出すぐらいやってくれや!すぐどくわ!』って頭の中で毒づいてましたから。口が悪いのは私の出身地の方言ですよ(笑)


その後、朝イチ便もほとんど遅れることなく到着できるようになりました。あれからもあのお客様はほぼ毎回バスを利用されます。でも今は朝「おはようございます」ってあいさつして、降りる時は「ありがとうございました」って言ってくださいます。相変わらず淡々とした口調で。やっぱりただ遅れることに納得がいかなかっただけで、別に理不尽なクレーマーさんではなかったんです。

そしてそして、相変わらずあのお年寄りはバスのスペースに軽くかぶせて車を停めてます。でも、私が発車しようとすると車を前にずらしてくれるようになりました。なるほど、あれがあのじいちゃんの言っていた『譲り合い』なんだな。

私の最初の一言が、あのおじいさんには「ちょっとそこどいてくれない?」に聞こえてしまって、腹が立ったんだな。申し訳ない。

結局のところ、虫の居所が悪ければちょっとしたことで腹も立つし、言い方が悪ければ誤解も与えてしまうけど、心底性格の悪い、意地くそ悪いヤツなんて世の中にはほんの一握りなのかもしれないなと思った出来事でした。


ま、それでも反りの合わないヤツってのはいるからイライラはするだろうけどね(笑)

それより疑問なのは、あのお客様が毎日のように役所に来る理由ですわ。何をしてる人なんだろう。もうちょっと打ち解けられたら聞いてみよっかな。